2010年06月11日

(独)日本原子力研究開発機構 東濃地科学センター

6月というのに真夏のような気候の中、名古屋駅に集合した19名は、バスに乗り換え、一路「東濃地科学センター」に向かいました。今回、東濃地科学センターでは、岐阜県土岐市にある「ペレトロン年代測定装置と、岐阜県瑞浪市にある「瑞浪超深地層研究所」の2か所を見学しました。
最初に、土岐市にある「ペレトロン年代測定装置(炭素-14年代測定法)」を見学しました。ペレトロンは、試料中に含まれる極微量の放射性同位体の量と割合を測定する装置です。ご存じのとおり、、自然界では極微量の放射性同位体が生成され、時間とともに壊変して量が減少していくことが知られていますが、試料中の同位体の量を測定することで、同位体が取り込まれた年代を測定することが可能になるのです。
試料は、水や化石等であり、大学や研究施設、幌延にある地下研究所のほか、仏像や古文書などの年代測定にも利用されているとのことでした。年間900年弱の測定を行っているそうです。
午後からは、瑞浪超深地層研究所を訪問しました。ここでは、高レベル放射性廃棄物を深い地下に、安全に処分するための様々な研究がおこなれていますが、今回は、深度300mの研究アクセス坑道(幅4m、高さ3m)を見学しました。毎分100mのゆっくりした速度のエレベーターで現場に向かい、全長約100mの研究アクセス坑道を歩きました。地下掘削で、最大の課題は地下水(湧水)だそうですが、掘削前から水の湧出を押える対策をとったり、坑道脇の側溝に傾斜をつけて地下水を集める仕組みを施していました。


実際の現場は、湿度が高く蒸し暑かったのですが、地下300mとは思えないような、荘厳な雰囲気と、きれいに整備された坑道が印象的でした。この施設は、今後、原子力以外の分野を含め、多方面の研究機関に利用してもらう計画もあるとのことでした。